2009年01月27日

第3回「歩くまち・京都」総合交通戦略策定審議会のレポート

本日15時より新・都ホテルにて

川崎市などから傍聴者あり。

市温暖化対策室より環境モデル都市に選ばれたことの報告。
交通に関しては「モビリティマネジメント施策の継続と拡大」「高機能バスのモデル運行(南部開発地域)」「トランジットモール化と自動車流入抑制(四条通)」

副会長:環境モデル都市になって何が良いのか?
対策室>すぐに国からお金がと言うことではないが、そういうことになったときに、アドバンテージになるだろう。



事務局より公共交通ネットワーク部会の報告。
・バス系統再編(重複、長大系統の再編)
・バスダイヤ改善(パターンダイヤ、パルスダイヤ)(洛西地区で先行モデル)
・バス走行空間改善(バス専用レーン)
・バス停環境改善(バス停集約、シェルター化と情報表示、観光地バスターミナル整備)
・鉄道事業者間の連携(乗り継ぎ情報、設備整備)
・地下鉄利便性向上(乗り継ぎ時間短縮とパターンダイヤ)
・乗り継ぎ利便性向上(案内)
・多様な料金施策(定期券保有者優遇、交通事業者共通フリーパスICカード)
・効果的な情報提供(市民向け、観光客向け、web)
・その他(P&R、荷物のキャリーサービス、レンタサイクル、サイクル&R)
・公共交通不便地域(地域住民、事業者、行政の参画する検討の場の設置)
・継続的連携推進のための体制整備(マネジメント組織構築)

バスダイヤ改善の洛西地区での先行モデルと、交通事業者共通フリーパスは、ワーキンググループを設置し、具体策を検討。

部会長:数%の利用者増ではなく、数割増という目標で取り組まなければならない。
委員:乗りたくなる公共交通。

吉永ゆうき的視点:バス系統再編と共通フリーパスの実現のための部会だろうと思っていたが、ようやく舞台が整ったという状態で、実現性はこれからの議論次第のように感じる。WG設置以外は、具体的にどのように実現していくかについては、触れられていない。
ちなみに、洛西と共通パスは、早期に着手する施策にあげられている。WGの議論に1年、関係者の調整・同意・準備に1年として、2年以内に出来るかどうか。
乗りたくなる公共交通は子供向け? 観光客向け? マニア向け? 「ロンドンバスみたいに、京都バスを」という発言があったが、それ、もうありますから。

部会長:客「便利になれば乗るのに」事業者「乗ってくれれば便利に出来るのに」。今は悪循環。利便性を向上して好循環に変えるべき。(まず事業者から動けと言う意思表示か?)



続いて未来の公共交通検討部会の説明。
交通手段での非自動車分担率を現状の72%から80%に。コンパクトなまちづくりが必要。

地域別、道路機能別のあり方を設定。歩行者空間、公共交通の充実。自動車交通の適正化(P&R、課金、駐車場料金増と容量抑制、交通条件の公平化)。パーソナルモビリティーとライフスタイルの転換(横文字だけではわかりにくい!要するに、自転車を利用し、カーシェアリングやカーフリーデーなど普段の行動の仕方を変えましょうという話)

交通条件の公平化とは、例えば都心部の百貨店に買い物に行く時に、自動車を使ったら購入費用に応じて駐車料金の割引等優遇を受けるのに、バス・鉄道で行くと優遇措置が無い現状は不公平なので、バス・鉄道でも同じように優遇を受ける(例えばポイントがたまる)とかのサービスを提供しようと言う話。(自転車の場合は?)

吉永ゆうき的視点:公共交通といいつつ、この部会の目的は、自動車利用の抑制。駐車場抑制は、都心部での活動が郊外のロードサイドショップの利便性に勝らないと、都心部の停滞になり、慎重に取り組む必要がある。百貨店連盟や商店連盟はこの会議に参加していないが、商工会議所が参加しているから良いのか、気になる。

京都府総務部長:長岡京市で阪急新駅設置とP&R導入が計画されている。府も援助していく。京都市の計画にも周辺自治体との協力や府市協調を積極的に盛り込んで欲しい。府庁公用車を土日に周辺住民に貸し出すカーシェアリングを予定。

委員:歩いて楽しいというが、子連れの移動は周りにとても気を使う。気を使わずにすむ移動という事が出来れば。
委員:ベビーカーを畳むのがマナーとなってるが、親にとって負担。京都では畳まずに乗れますよ、という環境づくり、アピールをしては?
事業者:ノンステップバスを導入しているし、鉄道車両にも車いすのスペースなどもある。
部会長:そういう意味では、環境はできつつある。アピールをしていくのは良い。

この時点で16時半。残りのライフスタイル部会の時間が足りなさそう。

委員:醍醐、100件以上見学に来ているが、今のところ走ったという話は聞かない。コミュニティバスは難しいのか。
委員:バスダイヤ(路線編成のことと思われる)は住民に刷り込まれている。再編するならなぜ再編し、なぜそのような路線になるのか、しっかりと説明が必要。
委員:10年LRTの話を持ち込んでいるが、実現されるように見えない。言葉遊びじゃなしに真剣にやってほしい。1両ぐらいなら寄付するから、どこかで走らせたらどうか。



現在、16時50分。

ライフスタイル部会の説明。
歩行者優先憲章。歩いて楽しいまちの実現は次世代に対する責務。「移動」は単なる手段でなく「楽しむべき活動」。
モビリティ・マネジメントアクションプランの検討。WGを設置し具体策を検討。

この部会についての意見は無し。

事業者:鉄道駅周辺の駐輪場整備をすすめる手だてを考えたい。用地確保が難しい。(市に土地を提供して欲しいということか?)

副会長:では、シナリオでは最後に山崎副市長からと言うことになっているので。(それは言っちゃダメやろ。会場、特に事務局席から苦笑)

山崎副市長:環境モデル都市と認定されたので、この交通のことも力を入れていきたい。

交通政策監:折り返し地点で、気がゆるんでる。これからが事務屋の力の見せ所。12名の傍聴があるが市民の期待の高さの現れ。
posted by 吉永ゆうき at 17:11 | Comment(0) | 傍聴レポート

2009年01月07日

第26回京都市市政改革懇談会のレポート

はじめに、現在京都市では「「京都未来まちづくりプラン(案)」を策定し,市民意見を募集しています(1月13日まで)」ので、ぜひ意見を寄せてもらえればと思う。このページから匿名で意見提出可能。2008年7〜8月に実施されたプラン骨子への市民意見募集の結果も掲載されている。

それでは、懇談会の様子をお届けする。傍聴者は12名。テレビカメラなど報道も入った。以下、発言等はこちらでまとめているので、これを基に市に乗り込んだりされぬよう。

冒頭の門川市長のあいさつ「昨年は激動の一年。こんなときだからこそ市民と共にがんばっていかなければ。縦割り行政、国、府、市の多重行政を変えていく。富の再配分だったのが、負担の再配分になっている。」

総務局長より「京都未来まちづくりプラン(案)」について説明。

市は、他政令市より少ない税収入、過去5年間の税収増を上回る地方交付税等の減少、義務的経費等の増加により、今後3年で964億円の財源不足の見通し。地下鉄の赤字により、964億円をなんとかしても10年後に市全体が財政再生団体への転落が見込まれる。試算に用いた数値は2008年1月の財務省の数字などによるため、2008年後半の世界的経済危機による税収減などの見込みは反映されていない。

案へのパブコメは1月5日までに320件寄せられている。

案に対する市長のコメント「数年前までは一般財源収入と義務的経費の差に余裕があったが近年は差が無くなり、19年度は逆転した。この構造を変えていかなければならない。人件費は減ってきている。福祉の支出が増えている。地下鉄は30年経てばなんとかなる。30年間どうするか。地域力、文化力を生かせれば未来は明るい。」この後、市長は退席。

専門家部会からの報告:IT化が他都市より遅れている。目標を定めて削減努力するべき。市民の負担になることは、分かりやすく明示するべき。職員のモチベーションを落とさないようにもすべし。無駄を無くすため、上司は部下の仕事管理を徹底。年輩職員が重石になるのではなく、若手職員に数年間での目標を設定し、達成させ、それを人事に生かすような配慮が必要。

委員から「共汗と融合による予算編成とは?」
理財局長から説明。これまで戦略的予算編成システムとして、局枠予算と年40億の重点政策予算をしてきた。それにより縦割りの弊害があることなどもふまえ、11の融合モデルを今回のプラン案に盛り込んでいる。

委員の発言:金がないのはつらい。ふつう次は、誰の責任やねん、となる。が、行政だけの責任ではない。市民含めたみんなのせいだということになるが、情報公開、パートナーシップが徹底されないと、みんなのせいだよ、とはできない。全市的に話すのは限界がある。地域分権、地域ごとに課題を考え取り組むことをしない限り、難しいのでは。地域に回ってるお金はすべてまとめた上で地域に委ねてもいい。地域の力を育てることも必要だが。

委員:共汗というような市民とやるものは、長野県栄村が有名。京都市の規模にはそぐわない。財政は危機だが京都の活力を無くしてしまうようでは元も子もない。もっと打って出るべきでは。民間活力の活用も、府の道の駅の指定管理者の破綻滋賀のPFIの取り消しなどもあり、責任をどうするのかということもおさえた上で検討が必要。

委員:共汗というが(職員が)何に汗をかいているのか見えてこない。

委員:本気かどうか見えない。平成23年まではこうしようとなってるが、23年まではいけても、24年はどうなるのか?市民感覚が何なのかわからない。
理財局長「24年度以降も同じような対策(地方債など)をしていかなければならない。ただし、額は減る。」
「市民感覚は区役所窓口などで身近に接する人の意見。市民はお客様という意識を持っている。」

委員:市民の安心は何か。京都の未来をどう描いているのか。危機的状況をどう捉えているか。共汗した結果どうなるのか。我慢を共有しながらがんばるのは目的があるからこそ出来ること。市民は決まった予算の中に対してそれならこれとこれをしよう、と考えるが、行政はこれをしたいからこれだけの予算、というような積み立て方になっているのか?

委員:組合と話をして人件費を下げるべき。全支出に対する人件費は何%か。固定資産税の減免金額は他都市と比べてどれだけ多いのか?
理財局長「給与費は20.2%が20年度予算で18.5%(PDF:99KB)に減っている。山林が多い、少子高齢化、で収入は割合が少ないが、他都市比較の数字は今、すぐには出ない。共汗は、パートナーシップから一歩踏み込んでいこうということ。」
委員:地下鉄の借金を国に待ってもらうように働きかけては?山崎副市長は国から来てるんやし。(山崎副市長は固まり、周りは苦笑い)
山崎副市長「高い金利の時に借りたので金利負担を減らしてもらうように働きかけている。先送りもすでにしてもらっているが、平成26年にそれが終わるので、その年から負担は増える見込み。」

委員:プランも大事だが、プランをどう実行し推進していくのかが大事。進行管理や途中評価が必要。意識改革と言うのは簡単だがどうすすめるか。

委員:中身が重要なのか、実行されること、体制が重要なのか。実行されたかどうか評価できる体制が必要。昨年秋?に事務事業の民間提案の結果は?
「理財局などで庁内体制があると共に、事務事業評価やこの審議会など第3者評価の仕組みを取り入れる。事務事業の件は審議会で検討中」

細見副市長「職員に自覚・努力が足らんと言ってきたが、いろいろ見る中でわかった。財政危機を民間だったら短期的に何とかする。行政は短期的はなじまない。ソフトランディングを目指す。」

星川副市長の挨拶で終了。

posted by 吉永ゆうき at 17:45 | Comment(0) | 傍聴レポート