2009年03月27日

第3回京のみちデザイン指針検討委員会のレポート

img202.jpg第3回京のみちデザイン指針検討委員会
2009年3月27日@かもがわ大会議室

始めの資料説明の中で、第2回での議論をふまえての、「京(みやこ)のみち」の目標像が提示された。

  • 盆地景の京の風土に調和したみち

  • 京の歴史・文化特性を活かしたみち

  • 景観を引き立てる控えめで洗練されたみち

  • 一貫した基調と区域の特性を併せ持つみち

  • 連続性や結節点を大切にしたみち

  • 環境と人にやさしいみち


ここではコストのことは触れられていない。

その後、今回の指針のキャッチフレーズを決めようと言う流れになる。

吉永ゆうき的視点:その流れの中で、この時、大きくは、「1つの資料の前半のみを紹介し、それについての議論を」という流れになっていたのだが、キャッチフレーズとなると資料後半の内容も関係するため、1委員がその資料全体の説明を求め、議論が中断した。
1つには、ベースとなる考え方と細部という別に扱うべき事柄、を事務局(もっというとコンサル)が1つの資料(パワポデータ)にまとめてしまったが故の、わかりにくさが要因。
また、事務局及び進行役が把握している流れを委員と共有できていないのも、もう一つの要因。

流れが混乱しかけたので、資料後半については後ほど説明及び議論するとの説明が事務局からされた。

委員長からも補足。
作法は全体の共通の「京都のみち」の考え方。
見立ては区域に応じて作法を具体的に落としていったもの。

資料を見ても以下のような構想らしい。
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第2回では「作法」のうち、舗装と工作物の色彩の指針案について議論した。
今回は同じく素材、形状、配置、および植裁、さらには「見立て」まで議論する。

デザイン指針の全体の構造
1.計画基盤
2.方針
3.デザイン指針(作法)
4.区域設定(見立て)

第4回でほぼまとめ、その後パブコメ、第5回で終了。それにともなって委員の委託期間が3月末から8月まで延長された。
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京都のまち全体を1つの庭に見立てようというキャッチフレーズの案が出る。タイミングや言い方から、最初から用意されていたのではと感じた。この委員会では端々に作り込まれている感があるが、考え過ぎか。

後半についても資料説明。

以下、意見や議論(要約のため、発言意図と違うかもしれないので注意)

みちは独立したものではなく、沿道の建物とも関係してくる。そういった物も含めて検討しなければならない。

場所によっては道以上に建物が主張している。道をどうこうするより建物を尊重したのでよいのでは。

5ページに路面の形状も追加すべき。

色彩はもっと絞り込まないといろいろな場面に当てはめる際に大変になる。

古美る(ふるびる)を素材選択の際に大事に。

平安神宮の前の道は素材は良いが色が失敗。

耐久性とメンテナンスも考えるべき。

指針に色彩などの事例を出すのは危険。拡大解釈される。
事例はあがってるが、ではどう使うのかの説明が必要。

吉永ゆうき的視点:この指針運用と実際の道の管理の部分は、資料でもほとんど触れられていない。市としては市内の道のデザインの大枠の方向性だけを決めたいようだが、実際には運用や管理のことと密接に関係しているだけに、不足感がある。

まち全体のデザイン底上げ、やってはいけないことのチェック、より良い物を取り入れる、それぞれ別のこと。

建物は民間が多いが、道は市がやるのだから、この道はこう、この道はこうと決めてしまえばいい。余地を残すこともよいかもしれないが、曖昧にする必要はない。

舗装の形状は、道路の幅員や線形、勾配によっても左右される。

橋も考慮されているのは良い。高欄(?)の役割、橋詰め広場も重要。

ここの時点で16時過ぎ。議題が多く時間が足りないのに、ここで10分の休憩。

吉永ゆうき的視点:2時間の会議で途中休憩は議論の流れが切れて良くないと思うが、女性にとってはありがたいか? 休憩の意義が、いまいち理解できない。終了後、職員に聞いたところ、会議が長時間に及ぶので、という回答。まぁ、そう答えるしかないよなぁ。

チェックの流れ。
細かいことは事業課のチェックリストに基づいて進める。規模が大きくなるにつれて、部内委員会、外部アドバイザーによるチェックもする。

にぎわいのエリアでも、暮らしのエリアでも理想を言えば石が良い。それは無理だとしても、にぎわいエリアだからといってにぎやかな路面にする必要はない。

事務局:例示の道は、商店街が決めたこと。

舗装が無彩色な方が看板が引き立ちますよと説得すべき。

四条などの橋は歩道を大幅に広げても良いのでは?

事務局:北大路大橋では視点場として橋の一部で歩道を広げている。

補修の仕方についても触れるようにしてほしい。

人の多いエリアでもメンテナンスが少なくてすむような舗装にすべき。

チェックの段階だけでなく、デザインの段階で市民や専門家の意見を取り入れるべき。

事務局:沿道の意見はこれまで聞いてきた。この委員会で長い目で見た大きな方向性を示すことで、そのことごとにデザイナーを入れたりしなくても間違えずにすむ。

誰が間違えるのか?縦割りだから?市がすることなのだから、決めちゃえばいい。

吉永ゆうき的視点:この委員、何度も良い提案をしていると思うのだが、大半が却下されているように感じる。

これまで景観の方針が無く、この委員会で方針が出来てチェックがされれば、間違いはなくなるという考え。

暮らしのエリアは?

つぎはぎが問題。特殊なことをするとより目立つ。横幅いっぱいに決まった間隔でラインを引いてしまったらどうか。

道路に斜めにかかってる電線の方向を揃えれば、ましになる。

わたりの分だけ地中化すれば全部地中化するより安くつく。

事務局:ライン入れるのも、地中化もコストが高くつくので難しいが、揃えるのは考慮する。

議論の収束どころか広がりきってもいない状態だが、時間切れで終了。
次回は5月下旬の予定。

吉永ゆうき的視点:コストの話題では初期投資とメンテナンスのランニングコストとが分けられずに議論されている。

吉永ゆうき的視点:京都市総合交通戦略や未来まちづくり100人委員会など、関係の深そうな審議会との情報共有や意見交換があれば、より良い指針が出来るのに、もったいないと感じた。

吉永ゆうき的視点:この審議会はコンサルが事務局的なところまで担っている(スライドの際カーテン閉めたりマイク運んだりお茶配ったり)。そういう契約なのだろうか。傍聴したことのある他の審議会では見られない(そもそもコンサルは居ないか居てももっと控えめ)ので、余計と気になる。
posted by 吉永ゆうき at 18:05 | Comment(0) | 傍聴レポート