これまでの経緯は「第1回京都市山ノ内浄水場跡地活用方針検討委員会のレポート」(5/23)や、「山ノ内浄水場跡地がいよいよ動き出します」(5/19)、「気になる山ノ内浄水場地下施設と跡地活用方針検討委員会日程」(6/8)をご覧ください。
6月14日18時から職員会館かもがわにて。
傍聴席には3人。委員の飲み物は今回も疎水物語です。
初めて出席の委員の自己紹介から始まりました。
委員:この浄水場は小さい時から何度も見てきた。病院併設の医学部や、近いので外大との連携はどうか。
委員:京大の吉田と桂の両キャンパスの中間にあるので、度々通る。上海で既存施設のリノベーションが良かった。古い工業施設が複合商業施設になってた。エコミュージアムはどうか。地域の生活文化を守る考え方。水に限らず、何か場所の記憶を継承できるものが良い。
今日の議題は、「立地を誘導する施設(又は機能分野)について」です。
資料として、これまで発言のあった「文教・研究機能」「医療・福祉機能」「観光機能」「その他」の4機能とそれぞれの施設例、誘致した場合の効果が示されました。「その他」には「先端技術企業」「若い人を引き寄せる施設」「エコミュージアム」が挙げられています。誘致効果の資料は、庁内で課題を検討した際に出てきた以下のの11種類の施設について、それぞれ「政策目標等」「地下鉄増客への寄与」「波及効果等」「税収への影響」「現行の用途制限上の建築可否」が示されています。いずれウェブサイトにアップされると思います。
- 大学
- 美術館・博物館等
- ホール等
- オフィスビル、スタジオ、研究所、工場等
- 百貨店、ショッピングセンター、アウトレットモール等
- 劇場、映画館、演芸場、観覧場
- 遊園地、テーマパーク、温泉
- スタジアム、アリーナ等
- ホテル、旅館
- 病院
- 児童、高齢者、障害者等
他に資料として、周辺地図、前回の議事録、審議会のスケジュール案が示されています。7月に第3\xA44回、8月に第5回、パブコメを挟んで10月に第6回の予定です。
以下、主な意見ですが、マイク不使用で発言が聞こえにくいこともあったので、聞き間違えや不十分な理解もありえる状態でのメモであることをふまえて、お読みください。
委員:大学と言っても医療系やイノベーション系では、分けて考える必要がある。
委員:地下鉄で無料パスはあるか?>地下鉄では70歳以上に有料で、障害者には無料で優遇措置をしている。
委員:前回、単独の大学ではなく複数の大学や学生が複合的に集まる方が良いと提案した。美術館よりアクティブで発信する様なアートセンターも市内に不足している。医療とアートの融合でも良い。資料では4つの機能に分けられているが、一つに絞らずに、またがる複合施設でも良い。
委員:京都市の現状認識は?>都市計画局から回答。市西部は道路が足りないが、機能としては大学系、物づくりに寄与する機能、病院機能が求められているのではないか。
委員:5つの大学からの問い合わせは、具体的な提案があるか?>質問されただけで提案はない。
委員:文教芸術分野は直接は収入につながらないので、将来の担い手になるような働き手の働く場所があれば、家賃収入になる。現状、働く場所がないので大学卒業後は、みな東京にいってしまう。
委員:外国から医療検査を受けに来る人が増えている。人間ドックと併せて観光も出来るようなプランも良い。
委員:オフィスの需要は少ない。国内で奪い合いになっている。海外の大学では収入の3分の1を医学部や病院で得ている。
委員:普遍的なオフィスビルではなく、京都らしい施設の一部にオフィススペースがあるイメージ。
このあたりから、他の委員の意見に触発されて、マイクを使わずにクロストークしていく委員が増えてきた。
委員:クリエイティブな場所があれば、寺社に飽いた人でも、世界中から若者が集まる。客単価は安いかもしれないが、みな、地下鉄には乗る。
委員:深くて大きな地下空間を更地にするには費用もかかるし、廃棄物も出る。空間を活用出来ると良い。先端医療も良いが、住み続けられる予防医療に力入れるのも良い。力を入れたいという企業はいるか気になる。
委員:地方都市に収まらない特別な都市。日本の中で特別な都市と位置づけて、日本の国の中でどうしていくか考える必要がある。企業も京都のまちにもっと投資すべき。
委員:浄水場の跡地なので、水の記憶はずっと残る。京都は水のまちで、お酒のまち。世界中のお酒が飲める施設でズラっとお酒が並んでいたら、絶対行く。
委員:誘致する時に、車に乗らずともあちこち行けるという利点をアピールすることが大事。
委員:医療も高さ制限は緩められる可能性はあるか?>現時点でまったくありえないとは言えないが、周辺との調和を図る等は必要。ここにふさわしい施設かどうかということを議論してほしい。
座長:ここまでの話をまとめると、4つの枠を取り払うと、大学、それも健康を中心にした複合的な施設。アート系、産業系な施設をつくりましょうという複合的な施設。大学でも文系大学という話は出ていない。大学は、医療を中心にした複合施設の場合と、そしてシンプルに文系の大学を入れた場合との比較で調査してもらうというので良いのではないか。
委員:更地にして立て直す場合と、今の施設を残す場合でコストが大きく変わる。機能だけでは検討できない。更地にする場合の費用試算も必要。数字はいくらでも操作できるので、機能によってどれだけ費用が変わるかという比較は、現時点であまり意味がなさそう。この段階で数字を出すと信頼性の低い数値になりそう。
事務局:今の資料は庁内の議論の結果であって、数値の裏打ちがあるわけではない。議論に数字の比較を行う上でのモデルが必要だと考える。そこまで精密なものではないが、一般的なモデルを作成し、需要を調査していくことを考えている。
委員:多くの場合、こういった試算は外れる。全く意味が無いわけではないが、信じてはいけない。我々はジャッジするのではなく、議論する。信頼できるモデルになるのか?>比較検討には、まず一般的なモデルが必要だと考える。
委員:京都の未来に何が必要か考える機運をつくる必要がある。右京だけではなく、全市、全国に関わる施設になる。
吉永ゆうき的視点:既に複数の案が出ているので、それらの可能性について、委員同士で論じあってはどうだろうか。本当に、言う通りの効果や集客になるのだろうか。専門家が集まっているのに、単にアイデアを出し合うだけの場に終わってはもったいない。その結果を踏まえてからモデル化しても遅くないと思う。公開でできないなら、素直に退席するので、ケンケンガクガクとことん突き詰めてもらいたい。
委員:自社の施設でも、わくわくする部分が減っている。そういうことを盛り込みたい。
委員:解体の費用や、温泉を掘る費用は、どれほどになるのだろうか。そういう条件も提示する必要がある。御池通り挟んで一体化出来たらよいが、別々に少しずつ進めていくのもアリだと思う。
委員:記憶を残す。世界中から若者を集める。京都で新たに仕事する人をサポートする。これらを大事にしたい。
座長:市内に医療系の企業がいくつもある。それらと連携出来る案も考えられたい。出てきた案を出来るだけ漏れなく、調べていただいた上で、議論していけたらと思う。
事務局:次回は7月上旬と考えている。具体的な試算モデルについては座長と相談する。
以上で終了です。
吉永ゆうき的視点:ここまでの話だと、「先端・予防医療の研究教育施設と併設病院を中心とした複合施設」になるか。機能とは別の視点では「交通利便性の高い立地をふまえつつ、既存施設の特性(水)や空間を活かす」にも集約されつつあったと考える。今日、委託応募が締め切られるが、次回が7月上旬だと、それまでに十分な調査や試算モデル作成が出来るのか若干疑問。