2011年1月25日15時〜@京都ロイヤルホテル&スパ
委員の飲み物はグラスに入った水。傍聴は5人。
開始まで、会場隅に置かれたラジカセから、となりのトトロの「さんぽ」が流されていた。
歩くまちと言えば、先日「道険し…京都の歩行者優先構想 大都市世界初の挑戦、2〜3年遅れ」(産経新聞)という記事が出たばかりだが、審議会で検討する総合交通戦略には、88のプロジェクトがある。会議でも四条通の歩道拡幅だけでなく、既存公共交通の改善に関する「公共交通ネットワーク推進会議」、道路機能・空間配分を含め将来の京都の都市構造と交通に関する「未来の公共交通推進会議」、歩くことを中心としたライフスタイルの推進する「スロー ライフ京都推進会議」の3つの審議会を中心に、東大路、山科、洛西の交通に関する取り組み、駐輪場やパークアンドライド、京都駅八条口(京都市の言い方では京都駅南口)再整備など、幅広い対象を取り扱う会議。
長期的な数値目標は交通手段分担率の自動車を現状の28%から20%、同時に鉄道とバスの分担率の増加であり、10年に1度チェックする予定。
一方、現状のそれぞれの取り組み内容そのものだけでなく、それによる結果も報告された。
「歩くまち・京都フリーパス」では、1日フリー版が約450枚、2日フリー版が540枚の販売実績(交通局、京阪、観光案内所は1/16現在、阪急は1/12現在、JRバスは1/10現在、JRは1/4現在)があり、今後は東日本での販売を検討している。
洛西地域でのバス利便性向上の取り組みでは、関わる各バス事業者、平成22年度上半期バス輸送人員対前年比で、3〜15%増となり、今後は、車内放送や行き先表示の統一を検討していく。
現状報告が終わったところで30分経過。委員からの補足や意見交換。
委員:京都フリーパスの様な取り組みの効果を、観光客は実感しやすくなってきたが、市民にも実感してもらうことが課題。
委員:メディアを使っての啓発は?>予算が少ない中、ラジオで一日取り上げてもらう特集を組んだり、イメージ映像を放映しているが、予算や人員が限られた中で限界がある。映像は、歩くまち推進室としてツイッターの活用を計画している。
委員:京都市と話しても予算がないと言うか、じっとしているかのどっちか。公共交通は赤字でも構わないと思う。自動車を抑制して、にぎわいが無くなるのも良くない。
委員:自動車の抑制だけでなく、公共交通の利便性向上でもっとにぎわう、ということも考えられる。予算も、公共交通だけでは予算がないとなってしまうが、道路の予算を自動車の事だけでなく、交通全体の事に使うという考え方も大事。
委員:使わせるMM(モビリティマネジメント)の話だけでなく、個人ではなく企業や組織で所持するマンスリーのフリーパスのような、使いやすいMMも検討が必要。
委員:ロードプライシングは、魅力的な都市であれば、抵抗が少ない。思い切って導入してみては。
事務局:交通社会実験の目的や意義、内容、日時が市民に伝わっているかも大事にしたい。ロードプライシングは自動車抑制の手法としては考えているが、国内での事例や情報が少なく、海外の事例を調べている状況。高速道路でも料金が安くなりつつある中で、一般道への課金が受け入れられるかも探っていきたい。
委員:お金と、交通管理者とのやりとり、この2つが交通に関して、今京都市の困っていることに見える。
委員:総合交通戦略での取り扱う幅広いことについて、既存のデータで分析できるのか不安。
委員:バスの乗客数だけでなく、どこからどこまで乗っているのかを調査する必要がある。自動車交通の減らす順番があるはず。
委員:家賃、商店の構成も記録・調査した方がよい。
委員:指標はこの程度の議論で良いのか?>自動車分担率しか指標がなかったので、市民の人にも分かりやすい指標が必要と考え、今回の資料に追加した。本日出た意見を参考に、指標はよりわかりやすくしていきたい。
委員:資料に出ているのは実績評価の指標になっているが、予測した上での数値を取り上げることも可能ではないか。
事務局:電車のダイヤに合わせた終バスのダイヤ設定、バス停の増設、堀川通でのパターンダイヤ化が、この3月のダイヤ改正で計画されている。
これで終了。今日出た委員の考えをふまえて事務局や会長が取りまとめた上で、また審議ということになりそう。次回日時は未定。
東大路の取り組みについては、明後日、会議があるので、可能であればレポートします。