2012年08月30日

第1回京都市空き家対策検討委員会のレポート

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第1回京都市空き家対策検討委員会の傍聴レポート

2012年8月30日15時〜@京都市景観・まちづくりセンター ワークショップルーム

市長のマニフェストにもある「空き家対策条例」を制定するための委員会。24年度内に骨子案をまとめ、25年度にパブコメを経て条例制定の予定。全市を対象としているが、委員及び事務局の顔ぶれを見ると、中京区、東山区、下京区、伏見区深草がメインと思える。

京都市では、人口は横ばい、世帯数は増加傾向であるが、空き家は11万戸で、空き家率は14.1%と全国及び京都府より1%多い。行政区別の空き家率は西京区の9.6%から東山区の20.3%と幅広い。種類別では5割が賃貸用だが、全国の他都市と比較すると少ない方で、一方賃貸用・販売用を除いた空き家(「その他の空き家」)が比較的多い。以上の数値は全て平成20年度住宅・土地統計調査による。

吉永ゆうき的視点:普段、感覚的に思っている事を、端的にまとめられた資料で再確認出来るのも、審議会傍聴のメリットの1つ。会場に行くだけで、ほとんどの場合無料で資料をもらえる。一方、何らかの意図、コンサルによる誘導がある場合も無くはないので、その辺りを読み解くのも面白い。

事務局の意向としては、以下の4点を軸にしたいらしい「空き家の活用促進」「老朽危険化の未然防止」「危険状態の速やかな解消」「良質な土地利用の促進」

次回は11月上旬、次々回は12月下旬の予定。

以下、委員の主な発言。

座長:空き家率の減少が最終目標ではなく、空き家減少による地域力向上が目的だと考える。

委員:中京区は人口が増加傾向にある2つの区の一つ。マンションの増加による。コミュニティの維持、変化が課題。

委員:西陣は空き家が少ない。路地の中の空き家は見捨てられる。若者に住んでほしい。

事務局から資料説明。東山区で空き家が多いのは細街路に接道、もしくは接道していない物件が多いため。またその他の空き家の内、3割が腐朽・破損のある不良空き家。他都市の事例では、老朽家屋に対する行政指導・罰則や、除去・回収費用の補助が示された。ちなみに、改修費用助成や融資は京都市でも既に実施している。

委員:こちらでした調査では独居老人が亡くなって空き家になるパターン。細街路に面する建物の問題点は老朽化。細街路は必ずしも空き家の原因に直結しない。

委員:賃貸住宅は増えている。新築が増えているため、古い物件が空き家になっている。賃貸用住宅の流通量は増え続けている。

委員:その他の空き家を賃貸にしても、供給が過剰になるだけで解決しないのではないか。

委員:オーナーが入居を維持出来る様な維持管理・投資をしていないことが多い。ただし、費用対効果が見合わないために、現実的ではない場合も多い。

委員:賃貸用は単身者用と所帯用とは分けて考えるべき。単身者は住むだけで地域に参画しない。所帯用に注力しないとまちづくりはできない。公的資金も投入すべき。

委員:賃貸住宅は経済問題。別にしてはどうか。

委員:単身者向け賃貸はバブル以降増加傾向だったが、近年ようやく収まってきた。

委員:同志社大学の都心回帰によりキャンパス周辺では単身者用マンションが急増している。

委員:「空き家の活用促進」とあるが、空き家化させないことも重要。高齢者が単身で住んでいた住居を誰が住み継ぐか未定なことが問題。

委員:居住者が亡くなったときに相続の登記がされていないこともあるのが課題。登記は義務ではないが、結果、所有者のわからない空き家になる。

委員:放置してもコストがかからないことが問題では。住宅地の固定資産税特例を、空き家に関しては撤廃してはどうか。

委員:ただし、慎重にしないとコインパークの増加等、別の問題も出てくる。

委員:危険家屋は、地域に影響があるのであれば、所有権、財産権を超える様なことがあってもいいのではないか。

委員:家屋だけでなく、庭が放置される事によっても地域に影響がある。

委員:空き家を改修するだけの経済的メリットが無いか、少ないのが空き家増加の要因ではないか。

委員:京都市はコンパクトシティを目指している。交通政策的な誘導策がはかれれば、将来も都市機能を維持出来るのではないか。

委員:細街路に接していても、京都市の建築確認がおりるかどうか不明な場合は、売りにくい。市の方で明確化してもらえれば、すぐに売却を提案出来る。

吉永ゆうき的視点:コミュニティとか都市計画、まちづくり系の審議会にありがちなのが、議論の対象とまちの将来像が不明瞭なまま回を重ねて時間が足らなくなるパターン。空き家対策は要因も、委員の意見も多岐にわたるため、事務局が第1回委員会の議論をどうまとめるか次回の会議資料に注目したい。


posted by 吉永ゆうき at 17:51 | Comment(0) | 傍聴レポート
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