メルパルク京都の6階が会場だったが、キャンパスプラザに行ってしまった。あわてて駅前広場の端から端へダッシュしたものの、最後は歩くのと変わらない速さになるくらい長い距離。いや、運動不足か。間に合うはずの時間だったのに、結局ギリギリになってしまった。
今日の会議は以下の2つが議題。京都市にはすでに「京都市市民憲章」「子どもを共に育む京都市民憲章」の2つの憲章があるが、今回の3つ目の憲章には「市民」と付かないのが興味深い。
- 総合交通戦略の中間取りまとめ(案)
- 京都市歩行者優先憲章(案)
冒頭に、会長の北川先生が亡くなられたことにふれ、黙祷。内藤副会長が会長代理に就任。北川先生は交通が専門だが、内藤先生はどちらかというと環境の分野を専門にしている。
中川先生のことにはふれずに、今回から出席することになった2つの部会の副部会長がひとことずつ挨拶。今年度春から新しく就任した由木副市長も初回ということで挨拶。
はじめに、中間とりまとめの背景や全体についての事務局から説明。以下の3つの論議の柱をもとに、脱車社会、人が主役の歩いて楽しいまちの実現を目標としている。一番の目的は自動車抑制(推進室長談)。
- 公共交通の利便性向上
- 新たな公共交通システムの導入
- ライフスタイルの転換
吉永ゆうき的視点:それぞれの柱について検討部会をしてきたわけだが、それぞれの議論がどう活かされながらまとめられたのかが見えにくい。
大志万委員(京都府警):「安全」が入っていない。昨年度京都府の交通死亡者の半数は高齢歩行者。文中に入れるのではなく、大きく取り上げてはどうか。
平井委員:LRTが書かれているので黙っているつもりだったが。未来のことについてもう少しイメージしやすいよう具体的に書いてほしい。
発言がなかなか出ない中、内藤会長代理が発言しやすい和やかな空気にしようと話を広げるが、発言はなかなか出ず、中間とりまとめ後半の実施プロジェクトの説明へ。
先行実施プロジェクトが5つある。
- 洛西のバス利便性向上
- 市内共通1日乗車券創設
- 交通不便地域対策WG立ち上げ
- モビリティ・マネジメントの市民アンケート
- シンポジウム
佐藤委員:富山は「コンパクトシティ」「団子と串」をコンセプトにしている。今回の計画での一番中心となる概念があれば理解しやすい。「より質の高いくらし」はどうか。そのための歩くまちづくり。
石塚委員(国交省):「歩くまち」というのはすごいことなんだよ、と知ってもらうことが必要では。歩くまちというのがわかりにくい。「歩く」もいろいろある。歩き方の質に徹底的にこだわっていくことが大事。
内藤会長代理:イメージ、質、キャッチフレーズ、大事。
平井委員:東山、嵐山の交通対策研究会はここの審議会に反映されていることが大事。
吉永ゆうき的視点:総合交通戦略のゴールが見えにくい。個々の実施プロジェクトの結果はイメージが書かれているが、それぞれの施策が進んだあとのまちのイメージになると、急にあいまいになってる。事業や施策をするときに、最終的な目標、イメージが具体的であればあるほど、そのための手法や道筋がはっきりする。しかし、この総合交通戦略では手法ははっきりしているが、ゴールが見えないため、実施と結果に不安が残る。
嵐山や京都駅前についての具体的な感想などがやりとりされた。
歩行者優先憲章について事務局から説明。こういった文章にいきなり意見をというのも難しい。2、3意見が出たが結局内藤会長代理に一任することに。
吉永ゆうき的視点:歩行者優先憲章は「市民と行政が思いや決意を表明するもの」とある。市民に「歩くまち」がほとんど浸透していない今の段階で市民憲章が出来ても、市民からしたらトップダウンのように感じるだろう。いくつかプロジェクトを実施して市民に浸透してからでもまったく遅くないと思われる。
6月からパブコメ募集の予定。
最後に水田政策監が、事務局の不手際で3月にすべき会議が5月末になってしまった。「歩くまち」の空気になりつつあると挨拶。新型インフルエンザにも触れ、安全安心のまちだとアピール。閉会。
吉永ゆうき的視点:議論の中で「上質な暮らし」などのイメージが出ていたが、自動車抑制が目的なのであれば、それとイメージとはつながらないように感じる。「自動車抑制=歩くまち=上質な暮らし」であったとしても、現在車を利用している人の中で「自動車抑制=上質な暮らし」とは感じない人が多いのではないだろうか。
議論の中で「歩くまち」は良い言葉だという意見があった。実際、イメージを豊かに含むうまい言葉だと思うが、反面、多くの要素を含みすぎるために「歩くまち」と言われても実際にどういったまちなのかわかりにくい。
「歩くまち」のイメージについては何度か発言があったが、パブコメで「歩くまち」のイメージを聞くべき。「歩くまち」から「車を降りて歩かされ、疲れる」マイナスのイメージを持つ人もいるかもしれない。利便性をいかにアピールするかがポイントかもしれない。
また、閉会後に職員に聞いたところシンポジウムには400人集まったらしい。「歩くまち」がほとんど浸透していないと書いたが、案外そうでもないのかもしれない。パブコメの回答数が試金石か。