2012年09月10日

京都市防災会議専門委員会原子力部会第1回のレポート

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※末尾に追記(2012.9.17)

2012年9月10日14時から@京都市消防局庁舎7階作戦室

傍聴者は16名。委員の飲み物はペットボトルのお茶。

2011年の福島第1原発の事故及びそれに伴う国の方針の変更により、原発から30km以内(UPZ:緊急時防護措置を準備する区域)の自治体では避難計画を定めることが義務になりました。

京都市は左京区の北端、久多地区の一部と広河原地区の一部が福井県の大飯発電所から30kmの範囲に含まれます。ちなみに、この両地区には100世帯200名ほどの住民がいますが、すべて30km圏外の居住者です。

京都市では災害時の対応及び事前の防災のために、「京都市地域防災計画」が定められていますが、原子力発電所の事故の対策は盛り込まれていませんでした。

京都市としては対策計画の策定が急がれますが、当面の暫定措置として、2012年3月に「京都市原子力発電所事故対応暫定計画」を策定しました。もし、今大飯原発で事故があれば、この計画に沿って対応が実施されます。

そして、本日いよいよ正式な原発事故対策計画「京都市地域防災計画原子力災害対策編」を策定するための会議が始まった訳です。来年3月が期限です。

委員は次の通りです。

  • 土岐憲三(地震工学、部会長)
  • 三島嘉一郎(原子炉工学)
  • 古賀妙子(放射線管理工学)
  • 大野和子(放射線管理)
  • 石川裕彦(応用気象学,気象災害)
  • 藤川陽子(環境工学,放射線の土壌への影響)

以下、策定までのスケジュールです。11月頃に次回の部会。パブコメを経て、年明けに2回部会。で終わりの予定です。

本日の会議に先駆けて、8月10日に左京区の久多地区、12日に広河原地区において、避難マニュアルが作成され、9月1日にマニュアルを使用して避難訓練が実施されました。(参考:「防災の日:大飯原発30キロ圏、京都市が初避難訓練」毎日新聞)

委員:左京区で避難訓練したが、プルーム(放射性プルーム:微細な放射性物質が大気とともに煙のように流れる状態)が来た場合は、屋内退避の方が効果的なこともあるが、避難マニュアルはどのように計画されているか?>事務局:3つの段階に分けて計画している。左京区の訓練ではコンクリート建物への一時避難の後、別の場所へ避難という訓練だった。

今回策定される計画は、「国が提示した案」というベースがあり、それに京都府や関西広域連合の計画、原子力災害以外の京都市の既存の計画との整合性を考慮して作成されます。

事務局からは次の4点の論点が示されました。

  1. 原子力災害対策を重点的に実施すべき地域(30kmというUPZの範囲の妥当性)
  2. 環境放射線モニタリング体制
  3. 避難において市が考慮すべきこと
  4. 安定ヨウ素剤の管理と運用

以下、その論点に沿って主な意見を掲載します。

UPZ30kmの妥当性について。

委員:計画としては近接する人の住んでいるエリアも含めるのが妥当。>事務局:暫定計画では地区全体も含めている。

委員:大飯以外の福井の原発も考慮するか決めるべき。>事務局:国の今後のシミュレーションにもよるが、大飯に限定するつもりは無い。

委員:福島の事故では思いがけない場所に影響があった。距離で一律に判断せず、地形等も考慮して合理的に範囲を決定すべき。

委員:緊急避難すべきところと、除染をするべきところと、中間的なエリアとある。中間的なレベルのエリアの住民にどう説明するか。不必要な避難で別の災害に遭う事も考えられる。

環境放射線モニタリング体制について

委員:測定する場所、危機、天候で変化する。比較のためにも、測定法は継続する事と、万が一の際にも測定出来る体制作りが重要。>毎週木曜日に測定し、業者のメンテナンスも入っている。電源は乾電池。配置や設置数が妥当かは意見をいただきたい。

避難等について市が考慮すべき事

委員:避難マニュアルの地区では、停電時でも通信連絡可能か。>事務局:固定電話は各家庭にある。携帯電話はdocomoのみ。避難マニュアルには連絡網づくりも盛り込んだ。

委員:外国人向けのマニュアルを作っては?情報伝達とか。>事務局:外国人支援センターをつくり留学生に通訳してもらうことになっている。緊急時にすぐ対応できるかはむずかしい。

事務局:スピーディーの数値より、実測の数値により避難の判断をするように変わってきているらしいが、具体的にはどのように対応すべきか。>委員:国の中央防災会議では議論の途中で、具体的な基準についてはまだこれから。実測以前に、まず一定距離内は避難する。その後に実測数値に基づいて動いてよいか判断する。というのが現実的。

委員:現場の司令塔をどのように育成するか。地形等地元の事を良くわかっている行政職員が、専門的な知識が無いために判断ができなかったこともあった。

委員:避難ルートを複数考える必要がある。>今回の2地区では2方向のルートを想定しているが、両方通行止めも考えられる等検討すべきだと認識している。

安定ヨウ素剤の配備、運用について

委員:京都市が独自に判断するのだろうが、府との整合性は?>基本的には国と府が主導となる。しかし、実際のところ、市民に一番近い市が判断する。

委員:現状のままでは、ヨウ素剤は医薬品。また、避難の前に飲む必要がある。細かいシナリオが決まるまでは、医師が判断するべき。不必要に飲ませすぎて甲状腺の病気になった例もある。飲む必要があるのはこども。諸外国はシロップにしている。

委員:40歳以上は科学的には飲む必要が無い。あとは気持ちの問題ではないか。安心して避難するために必要であれば、大人でも最低限の量を服用することを考慮しては。副作用については検証が難しい。現状は劇薬なので医師しか指示出来ない。国の方針が変わるかもしれないが、市の方で前もって勉強会をしておくなど、モデルをみせることはできる。

委員:空気経由でヨウ素を吸入するのは、原発が10機事故起こるレベルでないと考えられない。それよりは飲料水経由が考えられる。浄水処理が難しいため。その対応を考える必要がある。

委員:市内の水源は琵琶湖か?>事務局:水道はほとんど琵琶湖。北部地域は簡易水道。

2012.9.17追記:原子力部会の配布資料が公開されています。

posted by 吉永ゆうき at 21:55 | Comment(0) | 傍聴レポート
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