
7月4日の市長記者会見で説明のあった「京都どこでもインターネット(KYOTO_WiFi)」事業は、「全国最大規模の630箇所」「3時間無料」が売りです。
もともと2012年3月27日に策定された「はばたけ未来へ! 京プラン」実施計画(政策編)の重点戦略5 世界が共感する「旅の本質を追求する観光戦略」のNo.51600 「京都どこでもインターネット」・「安心救急ステーション」の整備による観光客受入環境整備のなかの1つで、「高度情報化推進のための京都市行動計画〜情報通信技術(ICT)京都(2012版)〜」にも掲載された事業です。
2012年5月2日付けで京都市公衆無線LAN整備事業「京都どこでもインターネット」整備運用事業者の募集が開始され、バス停、地下鉄駅、セブン-イレブンにKDDIが、公共施設にインフィニティが無線LANスポットを設置、管理運用することになりました。
公衆無線LANの事業者は、そのアンテナ設置場所の確保に苦労していて、公共交通や公共施設という利用者の多い場所を3年契約で確保できることは、運用費用を負担しても大きなメリットとなります。
この件で気になったのが、記者会見と同日に公開されたKDDIのお知らせ「京都市内のバス停留所、地下鉄の駅構内、セブン-イレブンにて快適インターネット」です。
「京都どこでもインターネット(KYOTO_WiFi)」は、元々日本の携帯電話通信網を気軽に使いにくい外国人観光客を対象のメインとしています。そのため、空メール送信で「ゲストコート(パスワード)」を得られれば、誰でも無料で一定時間利用出来ることになっています。
しかし、KDDIのお知らせには、auの特定のデータ通信料定額サービス利用者向けの公衆無線LANサービス、au Wi-Fi SPOTの提供を、バス停、地下鉄駅、セブン-イレブンで開始」とあります。これは、特定のユーザが条件付き(言い換えると有料)での利用ということなのですが、そうなるとKYOTO_WiFiと条件が異なってしまいます。
おそらくは、KYOTO_WiFi向けの機器にau Wi-Fi SPOT用の機能も一緒に組み込んで、自社ユーザの利便性向上も図るのでしょうが、その先の通信網は1本です。1車線の道路に2種類(2台ではない)の車が集まるような状態になるので、渋滞しないか心配です。
さらに、気になる事がもう一つ。前述の通りメインの対象者は外国人観光客です。
KYOTO_WiFiはパスワードを得て初めて無線LANを利用出来るのですが、そのためには何らかの方法でメールをする必要があります。日本の通信網でメールを発信出来る機器を持っていない人はどうなるのでしょうか。