2012年9月14日17時から@職員会館かもがわ2階中会議室
傍聴者は8名。委員の飲み物は湯のみのお茶。
市内で計画されている建築物・工作物が景観条例を逸脱していないか審査する委員会です。会議冒頭にプライバシー等を踏まえ会議を公開するかどうかが諮られ、公開となりました。
今回の検討対象は「NHK京都放送局放送会館の移転(アンテナ塔付き)」と「京都精華大学新学部棟」です。
この審議会では資料を持ち帰れないので、特徴的な部分を以下に必死で書き留めておきます。
今年60周年のNHK京都放送局の計画は以前の会議でいくつか出た意見に対しての回答となります。建物自体は30.427mと、条例の規制の範囲内ですが、その上の鉄塔までの高さがが地上から55.427mと、建物の高さに匹敵する高さの鉄塔となります。
建物部分の外観は、水平的な主張の強い各階のひさしに、丸い柱が少し間隔を空けて並ぶダブルスキン(二重の壁)です。内側の壁は一層ごとに交互に壁の表情が変わる計画です。
吉永ゆうき的視点:建物敷地の北側は、東西通り抜けになっていますが、その一部、敷地の北東端に60台ほどの駐輪場が計画されています。烏丸御池の駅から至近にある建物の駐輪場なので、警備員等を配置するようにすべきと思います。
前回の意見に対する修正点を確認の後、いくつか意見は出ましたが、この件は了承されました。また、直後に請け負った設計会社らしき傍聴者4名が退席されました。
途中、記者の一人が会議室に備え付けの湯のみを取り、事務局に断り無くお茶を口にしていました。あっという間のことだったので、事務局の職員が気づいたときにはもう席に戻っていましたが、職員のあっけにとられた顔や、あきれた表情が印象的です。
続いて京都精華大学の増築計画です。洛北の山裾に立地し、世間ではあまり知られていないマイナーな大学ですが、日本初の漫画学部があることや、京都マンガミュージアムを京都市と共同運営するなど、知る人ぞ知る大学です。
この10年あまり続いた第3期施設整備事業(自在館、究明館、清風館(黎明館の横に出来た講義棟)、対峰館(自在館の横に出来た実習棟)、本館(既存の本館及び2号館の建て替え))が終わり、今回から第4期施設整備事業の一つ目の建物となります。
今回の計画では、新しく出来るポピュラーカルチャー学部向けに大教室を1つと、音楽実習室とファッション実習室、小規模なギャラリーを含む、地下2階地上3階の5層の建物です。延べ床面積3,847平米のこの建物の敷地は、現在バイク用の駐輪場があり、計画では、駐輪場が現在よりも奥の場所に新設されることになっています。
一番上の大教室は、音楽用防音のため窓がありません。
隣接する情報館とは外壁の表しが異なり、情報館を挟んだ反対側に、情報館・黎明館に外観をそろえて新設された清風館とは対照的です。
この新学部棟(名称未定)と代替駐輪場の他に、第4期施設整備事業では、新博物館棟、食堂棟、仮称新5号館建て替え、仮称新7号館建て替えが計画されています。
食堂棟は、風光館前の広場の南端に計画され、学園祭のステージが狭くなるのでしょうか。ひょっとしたら食堂前の池を使うことになるのかもしれません。ただし、その場合はライブの音量のボリュームを控え目にしないと、最近越してきた新住民から五月蝿いとの苦情が増えそうです。
現状の5号館は、内部空間がとても素敵なので、なるべくその良さを残した計画になる事を望みます。また、5号館のすぐ裏にある小動物の小屋は、残るのでしょうか。
新博物館棟は、明窓館の建て替えとなります。モアイ像が残るのか気になります。
ちなみに、委員からは、緩和する条項が多い割に、その必然性が計画から感じ取りにくいと異口同音に意見が出ていました。意訳すると、もっとうまいことやりようは無かったの?ということでしょう。
なお、先ほど勝手に湯のみに手をつけた記者ですが、再び飲もうとしたため、職員に注意されていました。
吉永ゆうき的視点:余談ですが、委員の知り合いの学生さんが、審議会はどんなとこなのかと傍聴に来られていたようで、終了後に廊下で雑談されていました。審議会の内容に興味を持つ人が増えると嬉しいですね。